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2019.04.20

[コラム] 道東の釣り

(著者:押味和夫)

 

2008年から3年余りボストン郊外に住んでましたら、帰国後、人口が多くてにぎやかな東京には住めなくなっていました。どこに住もうか、いくつか条件を考えました。まず雄大な自然があるところ、そして魚が釣れそうなところでした。2番目の条件を満たす場所の判断は難しいですが、その代わり人口密度が少ないところにしました。人口が少ないと釣り人も少なく、魚は多いだろうと思ったからです。
その結果、北海道東部、つまり道東に的を絞りました。2011年の秋に帰国し、網走から釧路まで、不動産屋さんを回りました。2週間かかって、阿寒郡鶴居村に牧場に囲まれた土地を見つけました。
鶴居村は釧路湿原の西に位置し、釧路市からは北へ車で約40分です。名前の通り、鶴、つまりタンチョウがいる酪農の村です。住み始めて7年半経ちました。真冬の2週間ほど非常に寒い時期があり、なんでオレはこんな場所に住んでいるんだと思いますが、残りの1年は快適です。
鶴居村を写真で紹介しながら、道東の釣りについて書きます。この付近の釣り場は少し判ってきましたがキャリアはまだ浅いので、釣りの話は参考程度になさってください。

1)近くの川でのイワナ、ヤマメ釣り
7月1日が解禁です。我が家の近くの幌呂川、少し遠い雪裡川で、イワナとヤマメ、ウグイ(ハヤ、アカハラ)、たまにニジマスが釣れます。場所にもよりますが、イワナの方がヤマメよりも多く釣れます。川幅は約3~4mと小さな川です。ウエーダーがあると移動は容易ですが、長靴でもなんとかなります。夏は、虫除け用のスプレーをお持ちください。熊除け用の笛か鈴も必要です。川沿いのデコボコ道へ入りますので、車体が低い車はよくないでしょう。
釣竿はいくつか考えられます。フライは下流の広いところで可能ですが、上流に行きますと川幅が狭くなり、上からも横からも枝が迫ってきて難しくなります。あまりお薦めしません。
ルアーでは、どのようなルアーがよく釣れるかは不明です。魚のサイズが10~25cmぐらいですので、あまり大きなルアーは不要です。たまにもっと大きいウグイやアメマスが釣れます。
なおイワナの降海型がアメマスのはずですが、地元の人は区別しないでいずれもアメマスと呼ぶようです。ヤマメはヤマベと呼ぶことが多いです。ヤマメの降海型のサクラマスは、もっと北の方の川に多いです。サクラマスは、キープしてはいけません。リリースをお願いします。
私が好むのは餌釣りです。水が澄んでいればブドウ虫、濁っていればブドウ虫でもミミズでもよく食います。イクラもいいです。庭のミミズをよく使います。2.5~3mまで伸びる安い竿で十分。下流の川幅が広い場所では、リール竿に餌を付けて飛ばします。
熊が出そうな上流には、冷たい水温を好むオショロコマがいます。イクラを餌にすれば、10cmぐらいのが釣れます。横腹に橙色の斑点があるきれいな魚です。オショロコマを釣りますと、いつもアラスカのドリー・バーデンを思い出します。ドリーは、オショロコマの降海型です。

釣った魚はどうなさいますか。リリースしますか、キープしますか。キープなさるなら、ホテルで料理してもらってください。ヤマメもイワナも、塩焼きが美味しいです。
私は釣った魚は池に放します。庭に大きな池を作りました。池の半分は、水深が40cmと浅いです。タンチョウが池に入って魚を捕まえられるように、浅くしました。しかしタンチョウは用心深くて、決して池に入ることはありません。
水は、90m地下からポンプで汲み上げてます。イワナやヤマメが地下水で育つか心配でしたが、大丈夫です。餌はニジマス養殖用のペレットとオキアミです。たまにミミズを投げますと、競って食べます。
イワナは50㎝ぐらいまで、ヤマメは30㎝ぐらいまで育ちます。ヤマメは30㎝ほどになると、抱卵しながら死にます。おそらく水が湧くような場所がないので、産卵できないで死ぬのだろうと思います。残念ながら、サクラマスにはなりません。
イワナは急にいなくなります。大きいのから順にいなくなります。見事な大きさのイワナが、一夜のうちに忽然と消えるのです。何故か。ミンクに食われるのです。この辺では昔、毛皮を獲るためミンクを飼っていたそうで、今でも野生化したミンクがいます。ミンクは魚を巣まで運び食べるそうですので、魚の死体や骨は池の周りには見つかりません。新雪の後、ミンクらしい足跡を見つけました。血痕もありました。村から罠を借り魚の切り身を入れて仕掛けてますが、決してかかりません。かかるのは野良猫ばかりです。
近くの家では、氷が溶けたらコイがすべていなくなってたそうです。今のところ名案はありません。トラバサミのような罠は禁止されています。大きくなると消えてしまうのは覚悟の上で、小魚に餌をやっては、せっせと育てています。

村の川に熊が出る可能性は低いですが、数年前近くの牧場の牛がやられたそうで、まれに出るかもしれません。近所の長老も見たことはないとのことですが、近くの道路を横切ったという話を聞きました。熊は、移動するときに牧場は目立つので、低い土地つまり川沿いを移動するとのことですので、背丈よりも高いフキの中などに入り込むのは避けたほうがいいでしょう。ワイワイガヤガヤ音を立ててれば、逃げてゆくでしょう。でも魚も逃げるかもしれませんが。熊除け用の笛か鈴は必携です。車のクラクションも効果ありそうです。

真っ赤な60~70cmはありそうな魚が、目の前の幌呂川を上って行きました。追いかけようとしましたが、すぐに見失ってしまいました。果たしてこの魚は何か。ベニザケ?正解はイトウでしょう。婚姻色のイトウと思います。上流での産卵のために遡上したのです。しかし見たのはたったの一度だけです。
9月に入りますと、大きなカラフトマスが上ってきます。いつかは、背中の上を渡れるほどの数が上ってきたとか。しかし、今は数えるほどしか見当たりません。産卵場を探しているようです。


写真1.雄大な鶴居村。遠くに見えるのは雌阿寒岳。


写真2.鶴居村にもあるアラスカの花、ヤナギランfireweed。 この花を発見したときは、びっくりでした。


写真3.オジロワシ。強風にあおられて、我が家の庭の木にとまりました。


写真4.タンチョウの親子


写真5.我が家の上を飛ぶ4羽のタンチョウ


写真6.タンチョウが飛ぶ姿は優雅


写真7.雪が積もり餌が採れなくなると、タンチョウは給地場へ集まります。


写真8.雄のエゾシカ


写真9.同じく、エゾシカ


写真10.5月末の釧路湿原


写真11.冬の釧路湿原


写真12.近所の川。堰の下が狙い目。


写真13.珍しくニジマスが釣れました。

2)釧路川
鶴居村は釧路湿原の西側にありますが、釧路川は釧路湿原の東を流れています。ここでは春先に、アメマスがよく釣れるようです。岸からルアーで釣りますが、私は釣り方を知りません。ときどき投げてみますが、かかったことはありません。

釧路川上流は、昔はイトウ釣りの本場でした。阿寒町の釧路湿原美術館にたくさん湿原の絵を遺した画家・佐々木栄松氏は、釧路湿原を描くとともに、イトウ釣りも紹介してます。戦後すぐのころ、釧路川はイトウの宝庫でした。画伯が開高 健をイトウ釣りに案内したのはずっと後の1966年のことです。そのときの写真を見ますと、二人がそれぞれイトウを手に提げてます。開高は75cmと60cmを立て続けに釣り上げたとのことです。開高は、このイトウ釣りがきっかけで、釣り熱に冒されるようになりました。この熱病は、決して治ることがない奇病です。

イトウがいそうな川や湖を専門に狙っても、今は年に1~2匹釣るのがやっとという話を聞いたことがあります。私もまだ釣ったことがありません。当時はいかにイトウが豊富だったか、改めて驚きます。二人がイトウを釣った場所は釧路川上流の雪裡川ですので、きっと鶴居村内でしょう。


写真14.釧路川でのカヌー。アメリカで使っていたカヌーがリンカーン号でしたので、これはリンカーンII世号です。


写真15.釧路川で、ノロッコ号をお出迎え。


写真16.釧路川を下る。

3)アレキナイ川
塘路湖から釧路川へ抜ける途中のアレキナイ川は流れが緩く、ウグイやフナが釣れます。フナ釣り用の仕掛けで、餌はミミズがいいです。カヌーでアクセスします。フナは大型の金色で実に美しいのですが、たまにしか釣れません。イトウがいるとのことですが、まだ釣ったことはありません。この川で釣ったあと、のんびりカヌーで釧路川を下るコースがお薦めです。タンチョウやエゾシカ、オジロワシなどが見られるでしょう。

4)屈斜路湖
我が家から車で1時間15分の距離にある屈斜路湖の北岸では、ヒメマスが釣れます。秋になりますと産卵のためヒメマスは岸に近づきますので、10月半ばからの3週間は、岸からルアーで容易に釣れます。キャッチ・アンド・リリースをお願いします。返しがない針(バーブレス)を使うか、返しはつぶして使用してください。婚姻色の赤い色がついてしまうとヒメマスは美味しくないと言われていますが、死んでしまったのを食べましたら、すごく美味しかったです。
初夏のヒメマスを狙うには、ボートで深場を狙います。魚探で深さを探るといいと思います。一度だけ芦ノ湖で初夏のヒメマス釣りをしたことがありますが、水面からどの程度深い場所にいるか、棚さえ分かれば、あとは容易でした。このときは紅サシを使いましたが、屈斜路湖でも餌は同じようです。
ヒメマスは、ベニザケの陸封型です。ベニザケよりも小ぶりですが、釣れるといつもアラスカのベニザケを想います。
最近、釣ったヒメマスを旅館に売るのを仕事にしている業者が跋扈しているようです。お蔭で、極端に釣れなくなりました。困ったものです。
近くのダム湖では、セミが鳴き始めるころセミのルアーを使うと、型のいいニジマスがジャンプしてルアーに飛びつきます。この釣りも初夏の楽しみです。


写真17.屈斜路湖で釣る。


写真18.紅葉の屈斜路湖でヒメマスを釣る。


写真19.オスのヒメマス。ヒメマスはベニザケの陸封型。

5)阿寒川
阿寒川の上流ではニジマスを放流しているとかで、上流は有料です。フライフィッシングがいいそうです。下流でも釣れるそうです。下流で何度か餌釣りでトライしたことがありますが、だめでした。

6)知床半島沖のサケ釣り
9月初めから終わりごろまで、朝早く斜里町ウトロ港から出た乗合船は、知床半島の突端近くまで行き、引き返しながらサケがいる場所を探します。岸に近い70mほどの海底まで錘を下ろしましたら、すぐに来ました。入れ食いです。2匹同時に釣れることも多いです。隣りの人の糸とお祭りしないように電動リールで素早く上げます。型のいい見事なサケです。知床の山並みを見ながらの釣りは最高です。でも贅沢を言いますと、電動リールを使うので、大物を自力で釣り上げるという醍醐味が少なく、少々物足りません。
この時期は全国から釣り人が集まりますので、9月10日前後のハイシーズンには、なかなか船の予約が取れません。釣り人の中には、翌年の予約をして帰る人も多いと聞きます。
しかし、ここ数年はサケが減っているようです。9月のいつがいいのかも年によって微妙に異なり、昨年はボウズでした。少し時期がずれただけで、釣れなくなります。


写真20.標津川を上るサケの群れ

7)釧路沖のイカ釣り
白糠港から出た乗合船で、夕方から翌朝まで、多い人は300パイ釣ります。私はあまり熱心ではありませんでしたし初心者でしたので、100パイでした。釣ったイカを醤油の入った瓶に入れ船上で沖漬けを作っている人もいました。イカ用のルアーを使い、竿で釣る人もいますが多くは手釣りです。船べりに板を突き出して、その上を滑らして釣り上げます。あまりに釣れすぎてすぐに飽きてしまい、一度しかやってません。
今年の凾館付近のイカ漁の水揚げは史上最低だったそうです。年々下がり続けています。釧路、白糠沖の漁も同じ傾向なのでしょうか。気になります。

8)アイス・フィッシング
寒いけど、大好きです。ワカサギ釣りは、網走湖、阿寒湖、塘路湖、チミケップ湖などで可能です。解禁日は予め調べておきましょう。餌は小型の(紅)サシです。釣具屋で売ってます。もちろん竿も小型の専用のものを使います。氷に穴を開ける道具、暖房器具、テント、これらを引っ張るソリも必要です。
不思議なことに、よく釣れる穴のすぐそばの穴で全く釣れないことがあります。回遊してこないせいと思って待っていても、いつまで経っても釣れません。釣れない穴は早々と見切りをつけ、次の穴を探すべきです。
一説では、水が湧いているところ、急に深くなる手前辺りがよく釣れるとのことです。魚探を使って探るのも一法です。
ほとんどの場所が有料です。もちろん釣り具一式やテントを貸してくれるところが多いです。解禁日直後の方が多く釣れるようです。釣ったワカサギを唐揚げにして食べる、もちろんお酒を飲みながら・・・このために釣ってるようなものです。

ここ数年、旧釧路川の少し上流の汽水域でのアイス・フィッシングにはまっています。もっとも寒い1月末から2月初めがいいです。2月半ばには不思議なことに急に釣れなくなります。釣れるのは、20~30cmもあるキュウリウオ、小さいヌマガレイ、チカ、それにたまにしか釣れない氷下魚(コマイ)です。餌はゴカイや紅で染めたイカの切り身などで、狙う魚により異なります。潮の具合でも違います。1.5mほどの深さですが、潮の満ち干により氷は1mほど上下します。ゴカイを餌にすると、川底近くではウンザリするほどヌマガレイが釣れ、タナを浅くするとキュウリウオが釣れます。内地からゲストを招いた釣りでは、釣った魚を釧路市内の炉端焼きに持ち込んで、焼いて食べました。味はといいますと、まあ食えないことはないです。
最近、この釣り場で、氷が割れて1人死にました。体重が重い私は、人一倍注意しています。誰もいない氷には決して乗りません。
ところでアメリカのアイス・フィッシングで釣ったスメルトsmeltですが、地元のチカ釣り名人に写真を見てもらいましたら、チカとそっくりと言われました。私も大きさといい姿形といい、同じ魚のように思います。


写真21.流氷で閉ざされた知床半島のウトロ港。


写真22.塘路湖のワカサギ釣り


写真23.ワカサギ釣り。ポカポカの日差しで、ついウツラウツラ。


写真24.釣れたワカサギ。まだまだ少ないです。


写真25.旧釧路川でのアイス・フィッシング


写真26.本日の旧釧路川の釣果。キュウリウオなど。


写真27.ヌマガレイも旧釧路川の釣果

9)然別湖の氷上ミヤベイワナ釣り
これも面白いです。毎年3月1日から21日までの3週間、午後1時から4時まで、十勝にある然別湖の分厚い氷に穴を開けて、ミヤベイワナを釣らせてくれます。1日20人限定。然別湖ネイチャーセンターに電話で予約します。ただし例年、この時期に釣りを解禁するか否かは、2月初めか半ばごろでないと発表しません。インターネットでこまめに探してください。土日は予約が埋まりやすいので、早めの予約を。
釣り具は貸してくれますが、自分のも使えます。すべて返しのないシングルフック、またはルアーです。餌はブドウ虫。狙うのは20~35cmのミヤベイワナですので、ワカサギ釣りよりも大きな仕掛けが必要です。釣りにはいくつかルールがありますので、係員の指示にしたがってください。
然別湖は標高810メートル、この時期はまだ氷が厚いです。係員の方が開けてくれた穴に釣り糸を下し、10mぐらいの湖底まで落とします。少し持ち上げて誘いますと、ググッ、ググッ、予想外にすごい引きで、大きなミヤベイワナが上がってきます。腹に橙色の斑点がある美しい魚です。この時期は婚姻色で、少し色が濃いようです。アラスカのドリー・バーデンにそっくり。
針は返しがありませんので、糸を緩めないように上げてください。貸してもらった竿の針が古く、先が鈍くて十分に食い込まないために、上げる途中に何度もばらしたことがありました。

ミヤベイワナは、北海道の然別湖にのみ生息するサケ科イワナ属の淡水魚で、オショロコマの亜種とのことです。約1万5千年前に大雪山系の火山噴火により現在の然別湖が生まれたときに、川と海を往復していたオショロコマが湖に陸封され、湖沼内で独自の進化を遂げたそうです。ドリー・バーデンはオショロコマの降海型ですので、ミヤベイワナがドリー・バーデンそっくりなのも頷けます。この釣りが好きな理由が、ここにあります。
ミヤベイワナの生態は、あたかも然別湖が海であるかのような行動をとるようです。秋になると然別湖の北岸に流入するヤンベツ川に大群で遡上して、川底の砂利に産卵し、孵化した稚魚は翌年春に然別湖へ下り、湖沼内でプランクトンや昆虫類を主食としながら回遊生活を送るようになり、約4年で成熟するそうです。海水でなくともここまで大きくなるのは意外です。
ミヤベイワナの名前の由来は? この魚を最初に発見した宮部金吾に因んでいます。宮部は札幌農学校の二期生です。同期に新渡戸稲造と内村鑑三がいます。卒業後は東大、ハーバード大を経て、札幌農学校教授となり、植物園主任に就任。のちに植物園の初代園長を務めました。北海道大学植物園には宮部の遺品を展示している宮部金吾記念館があり、級友の新渡戸や内村との英文の手紙が遺されています。新渡戸や内村は海外生活が長く、英語の手紙の方が書きやすかったのでしょうか。
話がそれましたが、植物学者の宮部が発見した新種のイワナ・・・なぜ植物学者が、と疑問を持ちますが、彼の観察眼の鋭さなのでしょうか。

1年に2回、初夏と秋に、グレートフィッシング然別湖という特別解禁をおこなっています。期間と人数を限定し、キャッチ・アンド・リリースでミヤベイワナを釣ることができます。
このグレートフィッシングでは持ち帰ることができないミヤベイワナを、3月のアイス・フィッシングでは1人2匹まで持ち帰ることができます。貴重な魚ですので、塩焼きにして、大事にいただきました。肉は薄いピンク色で(こういうのをサーモンピンクと言うのでしょうか)、ほのかな甘さがあるサケの味です。一緒に釣ったサクラマスと甲乙つけがたいほどの美味でした。
ここにしかいない魚、ここにしかない景色、ここでしかできない体験を楽しみました。

道東は冬が最高でしょう。間近で見るタンチョウの群れ、湖のワカサギ釣り、釧路川のキュウリウオ・カレイ釣り、然別湖のミヤベイワナ釣り、オホーツク海の流氷、流氷の上のオオワシとオジロワシ、そして近所の木々の霧氷や樹氷は素晴らしいです。とくに、オホーツク海の流氷は、晴れた日の白い流氷と青い海のコントラストが見事です。皆様、冬の道東へおいで下さい。


写真28.然別湖のミヤベイワナ


写真29.同じくミヤベイワナ、最大35cm。


写真30.3月の然別湖


写真31. 網走港から出るオーロラ号から見た流氷


写真32. 網走港を出て左側に見えるのが能取岬

10)猿払川のイトウ釣り
ここまで書いてきた道東の釣りで、重要な釣りが抜けていることにお気づきですね。そうです、イトウ釣りです。春先の氷が解ける時期のイトウ釣りが面白そうと挑戦の時期を狙っていましたが、ようやく到来。例年より少し早い5月初旬のタンポポが咲き始めたころに、イトウの生息地として有名な猿払川へ出かけました。友人の車に乗せてもらい出発。往きは寝てましたので、一体どれほど遠くまで行ったのか実感がありませんでしたが、帰ってきて地図を見てビックリ。猿払川は稚内のすぐ近くでした。

付近を知り尽くしているもう一人の友人の案内で、お薦めの猿払川支流に行きましたら、そこはすでに釣り人がいてダメ。近くの「秘密の場所」まで歩きました。川幅5mほどの濁った川で、流れはゆっくりです。ルアーは友人お薦めの大型ミノーにしてキャースト。向こう岸近くから徐々に引いてきましたら、川の真ん中ほどで突然大型の白っぽい魚がキラリ。次の瞬間、強い勢いで竿を引っ張りました。来たーっ、第一投目からヒットしました。慌てない、自分に言い聞かせながらゆっくりリールを巻きました。ラインは太めのに変えてますので、いくら大きくても安心。岸に近づくと、1m近い大物であることが分かりました。岸は少し高く、友人がネットを入れて持ち上げようとしましたが、大きすぎて上手い具合にネットに入りません。何度か試みているうちに針がネットに絡まり、逃げられてしまいました。

正にビギナーズラック。これは癖になりそう、と気持ちを入れ替え再びトライ。しかしその後は一度もヒットしませんでした。というわけで、記念の写真もありません。

来年こそはリベンジ、と今から待ち遠しいです。